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なぜ給与計算チェックのあり方を変えたいと思ったのか

この記事を開いていただきありがとうございます。
株式会社Gozal(ござる)の代表をしている、高谷です。

弊社では、給与計算チェックを変えて、ミスをなくすためのソフトウェア「Gozal」を開発・提供しています。


給与計算チェックとの出会い


以前は勤怠管理・給与計算のソフトウェアを提供していたのですが、競合も増えてきて、うまく事業としてスケールできないまま、打開策がなくなっていきました。経営者として判断が悪く情けないところです。

正直うまくいかない時期が長く続き、資金もショート寸前になっていました。そのため、まずは収益を再構築して営業キャッシュフローを再投資できる状態を作ろう!という低い目標で、お客様に対してできることから始めました。

その1つが労務事務作業の代行サービスです。入退社の事務作業、勤怠チェック、勤怠アラート、給与計算代行、給与計算チェックなどの労務実務で必要になる様々な作業を代行すると言うシンプルなアウトソーシングサービスです。

このサービスは利益率は高くありません。ただ、お客様である労務担当者が組織や社員のことを深く考える時間を生み出すために、日々の業務をお任せいただくのはとてもやりがいがあり、そして想像以上に需要もあることがわかりました。

おかげさまで2ヶ月ほどですぐ黒字化は達成できました。ただ営業キャッシュフローを構築できたこと以上のメリットがありました。それは「学び」です。アウトソーシングサービスのおかげで、50社ほどの上場企業・IPO準備中の企業の労務担当者の一員として、実務を学ばせていただいたことが最大の転換点でした。

そして業務のアウトソーシングをご依頼いただく中で、労務のアウトソーシングを請け負われている社労士さんや給与計算代行会社が、非常に大変であること、大変な中で目視チェック・手計算・エクセルワークを毎日行って、なんとかいろんな企業を支えていることがわかりました。


評価されづらい業務の構造


そんな中でも、非常によく聞く言葉として「アウトソースをしてより工数が増えた」とか「社労士さんの計算ミスが多くて困っている」と言う声です。その言葉を聞いた時に、「それはそうだよな」と思いました。なぜなら、非常にタイトなスケジュールで目視チェック・手計算・エクセルワークを大量に行っていたら、ミスが起きない方がおかしいと。それだけ大変な仕事であるからです。

また社労士さんの中には、「給与計算代行は組織の士気が下がる」「リスクに対して割に合わないからやらない」と言う方も増えており、そもそも給与計算に対応できる人、やりたい人が減っていることも事実です。

世の中には素晴らしい給与計算システムがたくさんあるのに、なぜこんなことが起こるのかと以前なら思っていたのですが、アウトソーシングサービスを提供していた僕たちは、給与計算システムの限界を知っていました。

給与計算システムのすごいところは「指示したことを完璧に近いレベル」でやってくれることです。完璧に「近い」レベルと言ったのは正直どのシステムもバグ・不具合・機能不足があるので、完璧は言い過ぎかなと思ったためです。

なにより重要なのは「指示したことを」の部分で、この指示をする業務がとにかく難しく、逆に言えばそこはシステムとしては責任が取れないため、「設定はお客様側でしてください」と言う形式になっています。

  • 毎月発生する身上変更

  • 新しい入社、退社社員

  • 様々な種類の休職発生

  • 住民税の特徴開始、異動

  • 特殊な手当、貸付金

  • 慶弔金やインセンティブ

  • 新しい休暇制度の給与反映

  • 給与改定する人しない人

  • 人事制度の変更

こういった情報は基本的には手動で設定する箇所が多くなってしまいます。給与計算システムに、上記の情報を完璧に「指示する」と確かに計算してくれますが、その情報をまとめて、取り込んでいく作業は非常に骨が折れる部分です。

また上記も大まかに書いているだけで、退職と一言でいっても労務的には様々なパターンの退職が存在しており、それぞれ給与計算への影響は無数の分岐があり、ひょっとするとまだ経験したことがない分岐フローも来月からは発生する可能性が全ての企業で存在します。

給与計算とはシステムがやってくれる単純な計算処理ではなく、生物のように不規則に動き続ける組織を、就業規則という物差しになんとか当てはめて、計り続けるスポーツのようなものです。

なので、社労士の方やアウトソーシング会社は、非常に険しいスポーツを日々自らの身体(目とか指とか脳細胞とか)を使ってやっているような感覚です。


だから給与計算「チェック」を作る


アウトソーシング事業をスタートすることで、こういったい事実に辿り着いた僕たちは、「より良い給与計算システム」を作るよりも、そうしたアウトソーシングを請け負われている企業が、手動でやっていた「今月は何をすれば良いのか洗い出す作業」が手間なく整理される仕組みを作りたいと思いました。それが今提供させていただいている、給与計算チェック「Gozal」の機能です。

例えば退職時の給与計算への影響に、無数の分岐があっても、システムの方で自動で検知をして、この社員はこの処理、この社員はあの処理と整理してくれたら、給与計算システムに出す指示の精度、工数が高まると考えました。

シンプルに具体例を出すと、

  • 雇用区分が正社員であり

  • A社に所属する社員であり

  • 月末日が退職日である社員であり

  • 1月-5月に退職日が来る社員であり

  • 住民税は特別徴収を行なっている社員であるなら

→ 最終給与で社会保険料を2ヶ月分控除しなければならない
→ 住民税は一括徴収しなければならない

マニュアルが大して整理されていない中で、労務担当者は様々な条件を頭の中で整理して、給与計算への影響を体が覚えていて、処理しています。これはシステムが判定して、やるべきことを通知する仕組みが必要だと考えました。


また給与計算に必要な情報は、大元を辿れば最初は手動で入力されることが多いです。

  • 社員本人が自分の住所を入力する

  • 特定の社員の基本給の金額を打ち込む

  • 入社日を入力する

そのため、必ずミス入力のリスクに晒されています。本人から回収した情報や顧客から回収した情報をそのまま計算していくとおかしい、異常値となることもあります。

なので「あれ、なんかおかしいぞ」という担当者の第6感センサーから計算ミスを防いでいるのが現状です。それをシステムによって実現したいと考えておりまして、それもGozalで解決をしていきます。いろんな「センサー」を設置して、「この項目、普段と違うぞ」とか「このデータがこうなら、この金額は入らないはずじゃないか」とかを検知できるようにします。

また給与計算業務の辛いところとして超属人化して、「この人が辞めたら誰もこの会社の給与計算できない」という状態が異常に多い問題があります。1人1人のプレッシャーが相当大きくなってしまう原因の一つです。そういったことも、Gozalによって解決します。

こういう退職の時、ああいう休職の時、給与計算にはどういう処理が必要なのか、というのをGozalにどんどん覚えさせることができます(比喩的にいってます、AIではないです)。そしてGozalを普段から利用してもらえれば、いつ、どういう場合に、何をすればいいのかが言語化されていく仕組みになっています。


改めて給与計算の課題は下記です。

  • 給与計算システムの変更点の整理が大変

  • 給与計算にミスがないか、ちゃんと必要な事項が反映できているか不安

  • 属人化の問題の実質的な打ち手がない


それに対してGozalであれば下記になります!

  • 給与計算へ出すべき指示を自動で整理

  • 給与計算結果に対する自動チェックセンサーが作れる

  • 利用するほど業務が言語化されていくので引き継ぎ・保守性が上がる


血液循環を支え続ける


給与計算とは組織における血液だと思います。誰もが給与なしでは業務はできません。当たり前に循環してこそ、意味があるもの。それが給与です。

当たり前が崩れて適正なフィーが社員に払われないと、組織に対する不信感につながったり、正しく税金・社保が納付できていないことにつながり社会保障を受けられなくなります。

今日も日本中の社労士さん、アウトソーシング会社の方々が懸命に血液循環を支えています。

僕たちGozalは、社労士さん、アウトソーシング会社の方々と共に戦い、この国の血液循環をもっとスムーズにしてきたいと思います。

今後、より柔軟な人事制度・フレキシブルな働き方・従業員に対する充実した福利厚生が生まれ続けていくと思います。その最終的な影響は給与計算の複雑化に投影されます。

この給与計算を支えることを通じて、理想の働き方をどの企業がいつでも、すぐに、運用できる時代を作っていきたいと考えています。

最後に今、セールス周りを1人で全部なんとかできる方を大募集しています。
現状、代表の高谷が1人で対応している状況なのですが、キャパオーバーになっておりまして、優秀なスペシャリストの方とお仕事をさせていただきたいです。

ちょっとでも興味がある方はぜひ代表高谷のTwitterのDMからご連絡ください!

https://twitter.com/takatani_Gozal


頂いたサポートは、すべて「直感的に操作できる人事労務サービス」の改善・開発に投資させていただきます。具体的にはエンジニア・デザイナー人件費などです。