10年後の労務管理を考察
労務のAdvent Calendar 2022の25日目ということで、給与計算チェックをスマートにするGozalの高谷が労務について書いていきたいと思います。本日は10年後の労務管理について簡単に考察していきたいと思います!
結論から言えば労務管理の役割は大きな変化が予想される。
その変化と逆に変わらないものについて考え方を整理しておきたい。
01】変わらない本質的役割
労務管理は10年後も変わらない役割がある。
この役割は崩れることはないと想定される。
労務管理は守備範囲がとにかく広いが抽象化すると、下記の環境構築と維持が求められる。
社会保障受けられる環境(社保・納税)
健康的に働ける環境(時間管理・休暇制度・安全衛生)
良い人間関係で働く環境(ハラスメント・賞罰)
家族と生活が安定された環境(出産・育児・介護)
これを維持することで、会社の仲間は安全に才能を発揮することができるようになる。それによって、組織のキャッシュフロー獲得能力を高めること。
それは労務管理の本質であり、この国の法律体系や社会保障の制度が根本から変革されない限り、求められていくことになる。
02】変わらない業務
労務管理の業務内容についても変わらないものがある。
休職者との個別のコミュニケーション
慶弔祝い時のコミュニケーション
懲戒等の賞罰に関するコミュニケーション
働き方の企画、制度策定
会社カルチャーの醸成
対個人を相手にしたり、「どうしたいか」という概念を対象にした業務は本質的に大きな変化はないと思う。
変化はないが、むしろよりフォーカスすべき業務になるだろう。機械的に答えが出せない労務管理が、より求められていく。
よりリモートでの業務が日常化することで、普段は顔を合わさず、目的のために多様な人が集まる場所を運営していくという意味では、オンラインコミュニティの運営に近づいていくだろう。
03】加わっていく役割
人的資本情報の開示が義務化される流れにある。
今まで社内で、データ分析や制度企画のために活用してきた労務関連データを社外に発信していくきっかけになる。
労務はより広報的なスキルが求められていくだろう。
労務データをたくさんの企業が開示することで、競争が起こることになる。
社員の成長、経済的豊かさ、良好な人間関係、健康度を高めることができる企業とそうでない企業が明確になっていく。
財務諸表は後で判明する結果(アウトプット)であり、人財諸表は結果を生み出すための競争優位性の源泉(インプット)として、株価形成の主役に移行する可能性を秘めている。
現代のIRは財務部門が担当しているかもしれないが、今後の人的資本情報の開示業務は労務管理チームが手動で対応する企業が増えるだろう。この役割は現代にはそれほど求められていないが、10年後には労務管理業務に加えられていくことが想定される。
04】求められる労務担当者
役割の変化に応じて、新しいスキルを習得していく必要がある。
現在でも求められ始めてはいるが、より必要になってくる能力としては次の2つが挙げられる。
・コミュニティ運営(ルール作り、カルチャー醸成)
・広報戦略(人体資本のストーリー企画、言語化・取材対応、クリエイティブ制作)
また変わらず求められるスキルもある。
・労働関連法例に対する理解
・オペレーションの運用改善
・対人コミュニケーションスキル
これからの10年で他にも予想していない変化が起こる可能性はある。
変化に対応して新しく学び直し、対応するスキルが最も重要になるだろう。
そして、この記事を見てくださっている労務担当者の皆さん。
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労務に関わる方であればどなたでも無料で参加できますので、ぜひ一緒に良い労務を作っていきましょう。
ご覧いただきありがとうございました🙇♂️
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