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労務担当者が何をすべきか考察してみた

労務のAdvent Calendarの15日目ということで、クラウド労務管理サービス「Gozal」の高谷が労務について書いていきたいと思います!

今回は、結局のところ労務担当者って何をすべきなのか、今後労務担当者がやるべきことはどのようになっていくのかについて考察しました。別の意見も全然あると思いますので、ぜひご意見などいただけますとありがたいです🎉🎉

(以前、投稿させていただいた下記の記事の続編のような位置付けです)



つまるところ、労務とは何か?


労務担当者は誰がために仕事をしているのか。
答えは一つではないけど

法令を遵守するため
↓なぜ
それによって従業員を守るため
↓なぜ
従業員が安心して才能を発揮できる環境を維持して、会社に利益をもたらし続けるため

これがどの労務担当者にとっても、ベースとなる考えだと思う。

労務の本懐は「間接的な利益の創造」である、と言っちゃおうと思う

■ 労務とは
社内の仲間が安心して才能を発揮できる環境を作り
維持し続けて、会社に利益をもたらし続けること



現代の労務に求められるものって?


一言で表現するならさっきのやつだろう。

社内の仲間が安心して才能を発揮できる環境を作り
維持し続けて、会社に利益をもたらし続けること

この「安心して才能を発揮できる環境」と言う箇所について考察したい。

安心を調べると下記。

①心が安んじること。気がかりなことがなくて、心が落ち着くこと。
②心が安らかで心配のないこと。また、そのさま

精選版 日本国語大辞典

辞書的な意味を引用すれば、

「気がかりなことがなくて、落ち着いて、自分がやるべき仕事に集中できている状態」なんだろうな。

勤怠管理も、住民税の納税も、産休手続きも、給与振込も、36協定のチェックも労務業務は「こなすこと」が目的になってはいけないんじゃないか。

社員に安心をもたらし、多くの仲間がやるべきことに集中できるように、目の前の1分、1円、1文字のチェックを集中してやっていく意識が必要なんじゃないか。

労務の業務を対応することで、どれくらい「社員に安心をもたらし、多くの仲間がやるべきことに集中できたか」が労務担当者を評価する指標になるといいんじゃないか。知らんけど。



じゃあ労務担当者の評価指標はどうあるべき?


つまり労務のパフォーマンスは下記指標などであるべきかもしれない

▼やるべきシェア率
従業員100人のうち、やるべき仕事に集中できている割合を、なるべく100人に近づける

▼やるべき速度
新規入社した社員を、やるべき仕事に集中できている状態に最速で移行させる

▼やるべき時間面積
社員の労働時間のうち、やるべき仕事に割いている時間を最大化する

▼不安、気がかり解消率
ライフイベント、労務税務、社内人間関係、健康などの面で、不安がある人を減らす

上の指標をどうやって収集して運用するかは、もっと優秀な人に考えてもらうとして、概念から逆算するとこうなると思った。



具体的な業務のあり方


例えば勤怠管理を例にとる。
何が社員にとって安心と業務集中につながる勤怠管理なのか

例えば、下記など。

労働時間が増えている方について、本人と上長に連絡を取り、ケアできるようにフォローする。
→過労での疾病を防ぎ、「ちゃんと見てくれてる人がいる」ことで、社員に安心してもらう。

また経営・採用チームにも社員別・部署別の残業時間を共有して、採用の優先順位の指標を提供して、負荷の解消を目指してもらう。
→リソース不足等に対する根本的な対策を検討、実施してもらい、社員の心配・不安を解消する。

欠勤や早退が増えている社員がいれば、状況を確認したり、環境・人間関係に問題が発生しているのか慎重に調査して、対策を企画・実施する。
→苦しんでいる時に、労務からフォローが入ることで、安心してもらう。未然にトラブルになるのを防ぎ、安心を維持する

勤怠申請、届出・申請のフローを効率化して、社員にとってわかりやすく、負荷が少ない運用を実現する。
→やるべき仕事により集中できるようになる


こんな感じで、普段何気なくやっている全ての労務業務の目的を整理していくだけで、ちょっと違う世界になっていく。



労務にしかできないこと


ご存知の通り、労務には全社員の情報が集まってくる。

・年収
・年齢
・引っ越し
・結婚離婚
・出産
・労働時間
・欠勤早退遅刻状況
・社内外トラブル
・健康診断結果
・昇給降給予定
・住宅ローン

集まってきたデータを正しく取り扱いながら、社員の不安なポイント、悩んでいる事象を把握・察知して対策を企画して打ち続けること。

これは組織の中で、経営陣にも株主にもできないこと。
唯一労務担当者にのみ実行可能なものだろう。

組織のカルチャーの中で、労務が浸透を担う部分は少なくない。

勤怠チェック、身上変更チェック1つをとっても、どれだけケアして、フィードバックするかによって、社員が会社に抱く安心感・信頼感は変わってくる

新規入社のメンバーに対する労務的な説明の丁寧さ、熱力、態度、雰囲気によって会社に居続けたいと思う気持ちも変わってくる

退職者との最後のコミュニケーションでも慎重で丁寧にフォローすることで、その後の関係性も変わってくる

労務は、その会社の安心と信頼を司どる機関である


次の時代の労務管理とは?


業務が自動化されて、労務管理の具体的な業務フローが変わっても、本質は変わらない。

仲間が遺憾無くその才能を発揮できるように、安心してやるべきことにフォーカスできる環境を作ること

ただ忘れてはならないのは、

維持し続けること、だろう
難しいのは、次の時代も労務管理を取り巻く環境は激しく変化し続けることが間違いないということ

・リモートワーク、フルフレックスなど働き方の変化
・外国籍、短時間勤務の方、定年後社員など多様性の変化
・世間のクリーンな労務管理への期待感、要求水準の変化
・新しい法制度、手続きの変化

そういった外部環境の変化があっても、社内の環境を変わらず維持し続けること

労務担当者がこれからの時代に求められるのは
・変化に対応して
・変化させないこと


そのためには、単に手続きをこなすのではなく、「0.1%でも社員に安心を与えるため」という意識をこめて1円、1分、1文字を見ていくことだろう。


まとめ


いかがでしたでしょうか。
労務がどうあるべきか、という議論はみんなでやっていくことで、より情報が流通して、発展していくと思います。ぜひご意見くださると嬉しいです。


そして、この記事を見てくださっている労務担当者の皆さん。
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労務に関わる方であればどなたでも無料で参加できますので、ぜひ一緒に良い労務を作っていきましょう。

また弊社では労務好きな方を募集しております!
ぜひご検討ください!

ご覧いただきありがとうございました🙇‍♂️

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