給与計算が間違っていたときにやるべきこと
労務のAdvent Calendar 2022の4日目ということで、給与計算チェックをスマートにするGozalの高谷が労務について書いていきたいと思います。
給与計算のミス・間違いとは
一般的に、給与計算はミスが許されない。しかし、実務上では給与計算をミスなく正しく処理し続けられる企業は存在しないだろう。
社労士さんや、長年労務を経験しているベテランの方でもミスなく給与計算を行なっていくというのは不可能だと思う。
それくらい給与計算は難しいし、給与計算担当者1人で適切な計算を実現できるものではない。勤怠や申請は社員全員から提出してもらう必要があるし、住民税や社会保険料は国と連携して計算、対応していく必要がある。
そして社員も国もミスをすることは日常茶飯事なので、どれだけ注意しても、スキルを高めても給与計算を正しく行うことはやはり簡単ではない。
ミスが起きた時にあるべきマインドセット
給与計算が間違っていたときに、血の気が引いたり、心臓が激しく鼓動を打ったりする人もいると思うが、大切なのは冷静になること。
ミスがないに越したことはないが、信じられないような大きなミスはいろんな企業で発生しまくっているので、落ち着いて対処すればいい。
どんな問題もそこから学び、対処して、仕組み化をしていけば良いと考えること。この記事では、給与計算におけるミスが起きたときの対応についてまとめていきたい。
①影響範囲を測定する
まずやるべきことは影響を測定すること。間違いを発見したときには、対象者は1人だけなのか、今月給与だけなのか、過去の給与も誤っていたのか、 修正が必要なのは給与項目のどこなのか、控除系の項目も修正が必要なのかなどまずは影響範囲を特定することが必要。影響範囲の迅速な測定が初動対応としては重要になる。
②労務関係者に連絡をする
影響範囲がわかったら、労務チーム、社労士、影響範囲によっては経営層に情報を伝達する。詳細な金額まで算定する前に、迅速に事象の概要とこれから実際の影響を算定することを伝えること。まずは状況をシェアすることで、その後の準備を関係者に進めてもらう。
③担当者を設定する
タスクを整理して、タスクごとに責任持って対応する担当者を決める必要がある。
・具体的な影響金額の算定
・遡及修正、調整額の反映方法の企画
・再発防止策の企画、言語化
・影響を受ける社員本人への説明、謝罪
担当者は必ず設定すること、できれば期限を決めて対応する。ミスがあったときに、この辺りをあいまいにして、対策が遅れることが最悪なので、責任者を決める。
④具体的な影響金額の算定
ミスによる影響金額を算定する際には、慎重に行う。ここでさらにミスをすると、問題が複雑化して、さらに工数が増えてしまう。必ずダブルチェックや、確認を行なって、精度の高い計算を行う。
⑤遡及修正、調整額の反映方法の企画
影響額が判明すれば、その金額をどのように調整するのかを企画する。例えば前月給与で残業代が払われていなかったのであれば、当月給与のどの項目に含めて支給するのかなどを検討する。当然だが、控除項目系(所得税、雇用保険料など)の影響なども考慮する。
⑥再発防止策の企画、言語化
給与計算のミスが起きた時に、最も重要なのはなぜミスが発生したのかを分析して、再度発生しないように運用を改善することだろう。なるべくマニュアルなどにまとめて、何も意識しなくても再発しないオペレーションを設計しておきたい。
⑦影響を受ける社員本人への説明、謝罪
なるべく早めに影響を受ける本人に説明を行う。その際に、背景や経緯、影響金額、調整方法、再発防止策を整理して共有する。本人に丁寧に謝罪することも必要。
まとめ
給与計算ミスは起こさないようにする必要があるが、起こってしまったら、冷静に対処していくことが重要となる。
労務管理について考察した下記の記事もぜひご覧いただき、ご意見などいただけるとありがたい。
そして、この記事を見てくださっている労務担当者の皆さん。
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